富に至る道【あらすじ】
【テーマ別】世界の著名な成功哲学書50冊リスト【富と財産を築く/意欲を引き出す/潜在能力を発揮する/リーダーシップを発揮する】 - 僭越ながら【1テーマの本を30冊読んで勉強するブログ】
お金にまつわる名著マラソン。3冊目。
富に至る道(『フランクリン自伝』所収)
英題『The Way to Wealth』(1758)Benjamin Franklin
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この本の要点:
「勤勉と倹約は、富を作ると同時に人間を作り上げる」
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【1】解説
ベンジャミン・フランクリンというと、まず思い浮かぶのは、その政治的手腕とアメリカ独立宣言の起草者だということだろう。だが、長い間彼が生活の基盤としていあのは、カレンダーの出版だった。フランクリンはカレンダーに彩りを添えるため、余白部分に処世訓や格言を書き込むことを思いついた。後に「富に至る道」と名付けられた文章は、1758年版のカレンダーの端書きとして書かれたものである。
本書は、厳しい時代につつましく生きる人々にしか役立たない、歴史的価値があるだけの風変わりな小論にすぎないように思われるかもしれない。だが、世界有数の企業投資家ウォーレン・バフェットはフランクリンの格言を好んで引用し、「勤勉・節約・借金なし」の教義を守って生活している。
【2】この本の要点
- 富に至る道は明確に示されていても、道を進むために必要な質素倹約を自ら実践する者はほとんどいない
- 逆に、借金の利子に追われながらも派手な生活を好み、揚げ句の果てに身動きが取れなくなってしまう
- 成功のためには、大きなリスクを冒すことも、広い展望に立つことも必要だ
- だが、仕事上の細かな問題や、経費の管理などについて言うなら、「勤勉と倹約」を実践すべきなのである
【3】あらすじ
舞台はアメリカの独立革命以前のこと、まだこの国がイングランドから乳離れできていない時代のことだ。
現代人がアメリカ合衆国から連想するような、強固な独立心や個人の責任などの価値観は、当時はまだ成熟していなかった。この新しい国において成功するためには、勤勉と倹約こそがほかの何よりも有効な方法だった。社会構造が定まっていなかったので、階級や地位ではなく、金が一番の守りだったのだ。
「時は金なり」とは、フランクリンの格言だ。
人生を大切に思うのであれば、時間を無駄遣いしてはいけない。時間こそ、人生を形作る材料なのである。生活を向上させるには、勤勉に働き自己啓発に努めることが必要だ。大切なのは、経済的に潤うことより、努力によって自負心が生まれ、自己発見が可能になることだ。怠けていては何も学べない。寝坊すれば一日中追い立てられていたような気分になり、早起きした日は何でもやりこなせそうな気がしてくる。「早寝早起き、健康のもと、財産を殖やし、知恵を増す」のである。
人間とは、金持ちにはなりたいが、進んで倹約する気にはなれないものである。
皆、思いがけない財産が入って、毎日の生活費に心を砕かずにすむようになったらどんなにいいだろうと夢見るものだ。そして、遺産や何かの儲けを得て苦労して働く必要がなくなると、後はのんびりした人生を送ろうと考える。しかし、20シリングの金と20年の歳月をいくら使っても使いきるということはない、と考えるのは、子供と愚か者だけなのである。時間の大切さを理解していない者ほど、深刻な金銭トラブルに陥る。
お金を持っていれば、誰にへつらうこともなく、胸を張って生きていける。
富に至る道は、まず借金をなくすところから始まる。そうすれば、心が明るくなり、自信がついて、より建設的に生きられるようになる。空の袋は真っすぐには立ちにくいのだ。
しかし、お金だけがすべての守銭奴になってはいけない。
勤勉や節約の美徳も、神の祝福がなければ、何の役にも立たなくなってしまうことがある。神の恵みを本当に必要としている人たちを無慈悲に拒絶してはならない。なぜなら、借金地獄よりひどいのは、良心の地獄だからだ。骨身を惜しまずに働き、自己鍛錬に努めることはもちろん大切だが、それでもやはり、富とは他者と分かち合うべき贈り物なのである。
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お金にまつわる名著マラソン
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