僭越ながら【1テーマの本を30冊読んで勉強するブログ】

毎朝3:00からを独学の時間にしています。テーマを決めて本を30冊読んで勉強し、その勉強メモをこのブログに記録しています。自己紹介はサイドバーにあります♪ 2017/3/1から「ミニマリストの本30冊から実践できるコツを書き出し、毎日少しずつ真似してみる!」企画を始めました。 毎日、ミニマリストになるためのコツを、ひとつ実践するのが目標です!

正しいことだけをして生きることはできないー『人間にとって成熟とは何か』読了

私は30を少し過ぎた女です。女子力アップ大作戦!などと銘打った雑誌の企画などに心を躍らせる20代を送ってまいりました。
しかし30代を迎えて、自分の求めているものが今までと変わってきたと感じ始めていました。


毎晩の読書タイム用に面白そうな本はないかと本屋をうろついていた時のことです。
女性向け雑誌コーナーに並ぶ見出しの中に「40代女子力」という言葉を見つけました。


いつまでも女子でいたいってことでしょうか。


私は違う。
私はもう女子を卒業したい。
可愛い女子よりも大人の女性に憧れる。


そして再び店内を見渡し、目についた本。
それが、曽野綾子著『人間にとって成熟とは何か』でした。
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何となく手に取り、パラパラとめくりました。

正しいことだけをして生きることはできない

人生には"悪”を選んで後悔するおもしろさもある

努力でも解決できないことがある、と知る

問題だらけなのが人生、とわきまえる

私は惹き付けられました。
それは、自分の中で薄々気づき始めていた人生の哲学でありました。
すぐさまレジに持っていきました。


私はこれまで
正しいことだけをしようとしていました。
”悪”を選んでしまい、後悔することがありました。
努力で解決できなかったことに落胆していました。
問題ばかり起こす自分に嫌悪感を抱いていました。


「まわりに振り回され、自分を見失いがちな人に贈る一冊」と称されたこの本は、まさに、今の私のために書かれたのではないかと思わせるに十分な内容でした。


皆さんは自分のことを大人だと思いますか?
これを読んでいる方のほとんどは世間で大人という区分に分けられているでしょう。
でも、本当に自分は大人になったといえますか。


私はそこがよくわからない。


大人という言葉ほど曖昧なものはないでしょう。
一体、大人とは、成熟した人間とは何なのでしょうか。
齢80を過ぎた著者は、本著の随所に、その答えを明確に記しています。


著者曰く、成熟した大人とは、

人生の雑音には超然として楽しい日を送り、日々が謙虚に満たされていて、自然にいい笑顔がこぼれるような暮らしをし、必ず自分の立場を社会の中で考えることができる。

そして

人間の努力がなくていいわけではないということを知りつつも、努力でなにごともなし得るというわけでもないと思える。

さらには

常に柔らかな知恵を持ち、その結果としての穏やかな変化を見守ることができる。


一方で、未熟な人間についても触れています。

感謝が全くない

威張って、不遜で、自己中心的で、評判を恐れ、賞賛を常に求め、しかも現実の行動としては他罰的であり、他者の存在や考えなど全く意に介さない。

自分の意志にある中の世界だけが絶対であり、他者に迎合する必要はないと思っている。


私はこれまで社会の中で、数多くの”大人”とされる人間に出会いました。
しかし、著者のいうような、成熟した人間を私はどれくらい知っているでしょうか。
逆に、著者のいうような、未熟なままに"大人"と言われる年齢に達してしまった人間がどれほどいたことでしょう。


私はこの本を読み、「女子は卒業して、大人の女性になりたい」という思いを新たにしました。


では、どうすれば大人になれるのか。
本著ではその明答を様々な観点から示しています。


例えば、成熟した人間に必ずある「品の良さ」は勉強により身につけることができます。

本を読み、謙虚に他人の言動から学び、感謝を忘れず、利己的にならない


そして、その人の性格がよく表れるとされる、「他人との付き合い方」についても、成熟した人間ならではといえるものがあります。

自分を失わずに、誰とでも穏やかに心を開いて会話ができ、相手と同調するところと、拒否すべき点を明確に見極め、その中にあって決して流されない


あなたはどんな人間を目指していますか。


私は本書を読み、これから目指す人間像が具体化されました。


もし、あなたが、まわりに振り回され、自分を見失っているのなら、本書を読んでみるといいかもしれません。


最後に、本書で私が一番好きな文を紹介します。

姿勢がいいこと、会話が楽しいこと、人をいたわることを知っていること、教養があること、見るからに明るい人であること、おしゃれの心を常に持っていること、そのほか何でもいい。自分は人とはちがうという存在感をはっきりさせるために努力する。


努力します。


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お題『秋の夜長は読書とブログ